ビッグ・ブラザーを好きにさせられる ジョージ・ブッシュ、ジョージ・オーウェルと霊界通信
憲法学者に対する質問が一つある。現職大統領を、剽窃の罪で訴えることは可能だろうか?
ブッシュ大統領は、テロに対する戦いを遂行し、強大な国内保安体制を作り上げようとする中で、ジョージ・オーウェルのアイデアを、不法コピーとは言わぬにせよ、相当程度借用している。問題の作品は、組織的宣伝を行って危険な思想を取り締まり、必要にあわせて歴史を書き換えることで大衆を管理する政府を描いた予言的な小説「1984年」だ。本来、全体主義の悪についての警告として描かれたものであり、ハウツウマニュアル本などではない。
オーウェルが描いた類の専制国家とはかなり違っていることは認めるが、いささか気味悪くなるほど似ている共通点もいくつかある。
永久戦争
「1984年」では、国家は曖昧模糊とした千変万化の敵と永久戦争状態にある。戦争は主として、抽象的ながら、憎悪に油を注ぎ、恐怖をかき立て、自国の専制的な手口を正当化するのに都合の良い場所で行われる。
ブッシュのテロリズムに対する戦いは、ほとんど漠然とした状態になっている。大統領の決意は堅く、ミッションは明確だと言われているが、戦っている敵の姿は我々にはますますわからなくなりつつあるようだ。オサマ・ビン・ラディンとアルカイーダに対する戦いとして始まったものが、あっという間に、アフガニスタンに対する戦いに変貌し、それが「悪の枢軸」に対する厳しい警告となり、50から60か国のテロリストを狙うものとなり、そして今や対イラク大軍事作戦が始まった。この戦争で、何をもって勝利とするのか明らかではないが、ブッシュ政権がはっきり言っているのは、この戦争は「無限」に続くということである。
真理省
小説「1984年」で、政権党の組織的政治宣伝の機関として機能する真理省は、戦略的目的に合った嘘を広めるばかりでなく、歴史を常時書き換え、歪曲する。これはブッシュのホワイトハウスでは、きわめて日常茶飯事となり、大統領演説記録は大統領の失言をぬぐい去ることがお決まりとなり、9月11日以前の諜報機関による警告は、改作されるたびにむらが増し、ブッシュの過去の財務取引を巡る事実は絶えず改訂されている。
嘘をばらまくという意図について、ブッシュ政権は驚くほど正直だ。例えば2月には、ペンタゴンは世論を操作し、軍事的目的を進めるため、海外で虚偽のニュースと情報を流すための戦略的誘導局を創設すると発表した。大衆の抗議に対し、ペンタゴンは、その役所を閉鎖するとと言ったが、これは虚報をばらまく予定だと発表した役所からのものでなければ、よりもっともらしく聞こえたニュースだ。
無謬の指導者
あまねく存在する全能の指導者ビッグ・ブラザーは、全支配権を掌握し、人々の無条件の支持を得ている。彼は崇敬されると同時に恐れられており、国家の懲罰が恐ろしいので、誰も彼に対してあえて思い切って意見を言ったりはしない。
ブッシュ大統領はそれほど危険な人物ではないのかも知れないが、彼はより強大な権力への欲望をほとんど隠そうともしていない。独裁者だったら物事がどんなに簡単だったろうか、と彼が三度以上も言及したのは気にしないことにしよう。
政府の一部門が余りに強力になりすぎるのを防ぐため憲法によって確立されているチェック・アンド・バランスの多くを捨て去って、ブッシュは既にニクソン以来最強の行政権を実現してしまった。彼の支持率はかなり高率のままであり、彼の手下達は無謬のイメージを作り上げるべく奮闘している。
オハイオ州で行った最近のブッシュの卒業式演説ほどあからさまなものはない。その中で学生達は、演説に抗議行動をしたら、逮捕され除名されると脅されたのだ。学生達は「万雷の喝采」をするよう強いられ、事実そうした。
ビッグ・ブラザーは監視している
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